隔月開催の、日本橋アートスペース兜座での独演会は、此度は「まっ黒なおべんとう」を。この演目は、一冊の絵本との出会いからでございます。図書館で出会った一冊の絵本。涙がとまりませんでした…。原爆投下時の広島にて、本当にあったお話と知り、いつの日か必ず浪曲で語りたいと思ったあの日。浪曲師に復帰した私は、この絵本の作者である児玉辰春先生に連絡を取らせていただき、奥様より「伝えていただきたいお話だから」と、バトンを受取り、語らせていただいております。いつもは、定席のサイズでの絵本バージョンですが、此度は、児童文学のバージョンで、語らせていただきました。より一層当時のその生活が垣間見える形になっております。大切なことは、皆んな浪曲が教えてくれた…。戦争も、原爆も、親子の愛も。ここまでの会にご一緒くださった皆様は、何故にこの絵本を浪曲化する思いになったのか、お気づきいただけたのではないかと存じます。奇しくもこの週の朝ドラで、原爆裁判を取り上げられました。浪曲でお聴きいただく機会となり、有り難い思いです。
プラス一席は、「品川あまから楼」(清水一朗原作)を。
ご来場いただいたお客様より「楽しさの中に切なさが、悲しみの中に希望のある浪曲」と感想をいただき驚きました。私の浪曲の表現の思いを一文で表現していただいていると。
次回の11/23(土・祝)は、師匠の松太郎の命日に近いので、松太郎忌です。
師匠譲りの「宇都宮釣天井」を。義憤に震える長い節が、幼心に痺れた演目です。先日、幼い頃の音源が出て参りました。ちょっとだけ、音源も聞いていただけたらと思っております♪ここでしかできない勝千代の会となります様に。+一席も、どうぞお楽しみに♪
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